ロケット小僧 (再掲2006-05-21 01:23の記事) [1300年代 / Trecento]
田舎暮らしの話題が続きました。都会の友人は「ボケるぞ」と脅します。あたってなくもないかも。「なぜ私は、ワイングラス片手に猫抱いて日向ぼっこしてるんだろ?」と疑問がかすめる一瞬もあります。(あ!そこの人、石なんか投げないように)
というわけで、フレスコ画の本場に働き場所を求めてやってきた壁画家の存在証明として(そんなに大げさなものではないですが)、専門分野のお話を始める事にします。技法的な話題も含め、イタリアで出会ったフレスコ画をご紹介する予定です。
※ この記事は旧カテゴリー【フレスコ画の世界】から新カテゴリー【1300年代 / Trecento】に移動しました。
第1回はジョットのロケット小僧。
左上の少年は何やらイキんでいる様子、お尻にプカプカ浮んでいるのは、某ビール会社本社ビル屋上にもあるやんごとなき物体?ガス噴射推進を表現しているのか?
その右は背筋を鍛えているのでしょうか?
いちばん真面目に飛行に専念しているのは右下の少年です。手の平の向きで飛行姿勢を制御。げいこま。その左は、かつらを気にしているのかな?
・・・・ンなわけはなく、イエスの死を哀悼する天子達の場面です(^_^;)
それぞれの天子の悲しみの表情と姿勢を個性的に描きわけ、深い悲しみを説得力豊かに表現した傑作です。
パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂の内部は、清冽な青が魅力的なフレスコ画で覆われています。
ただし、この青の顔料は石灰のアルカリによる変色をおそれ、漆喰が湿っている間に描く「フレスコ技法」ではなく、壁が乾いてから描く「アセッコ技法」で着色されています。
ジョットはルネサンスに先駆ける画家。
彫刻的な量感と確かな描線、優れた観察と性格描写が創りだす、圧倒的なリアリティと存在感は、後のマザッチョを予感させます。
フレスコ技法的には、1日の描画分ずつ漆喰を塗りつぐ「ジョルナータ技法」を確立した点も重要。
ご存知の通りフレスコ画の多くは宗教画です(例外も少なくないのですが)。
キリスト教徒でないからと始めからひいてしまう方も多いと思います。
僕自身、無神論者です。ただ近年はカトリックにシンパシーも感じています。国民の90パーセント以上がカトリック教徒である国に暮していれば当然かも知れませんが。
このコーナーではキリスト教徒でなくとも楽しめるフレスコ画の気軽な(不謹慎かも知れない)楽しみ方をご紹介していきたいと思います。
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